「円形脱毛症の治療方法には、どんなものがあるのだろう?」
「円形脱毛症の治療期間はどのぐらい掛かるのだろう?」
あなたは、いまこのようにお考えではありませんか?

男性だけではなく女性や子どもでも発症することがある円形脱毛症。
女性や子どもでは、中高年の男性よりも髪が薄くなってしまうことに強い不安やコンプレックスを感じてしまうのも無理もありません。
男性でも普通の薄毛よりも円形脱毛症は脱毛部分が際立って目立ちやすいので、「すぐに何とかしなければ」と焦ってしまいます。

そんな円形脱毛症に悩む方に向けて、この記事では円形脱毛症の治療方法や治療期間などを詳しく解説しました。

従来は「円形脱毛症はストレスの病気」と漠然と捉えられていました。また、現状でも円形脱毛症のメカニズムについては未解明な面もあります。
しかし、最近では急速に毛髪医療が進歩したことで、かなりのレベルまで円形脱毛症の治療方法が確立されてきています

円形脱毛症に悩む人は、通常の皮膚科よりも毛髪医療を専門としているクリニックを受診することで、効果的な治療が受けられるでしょう。
また、治療期間が長期化しやすいため、治療と同時に円形脱毛症を隠すことも、検討しましょう。
例えば、医療用ウィッグや増毛パウダーを用いることで、自然な髪型を手に入れることができます

そして、この記事をお読みいただくことで、あなたらしさを失わず円形脱毛症の治療に前向きに取り組むための理解が得られるでしょう。

円形脱毛症の前向きな治療のために、この記事では次の内容について解説しています。

円形脱毛症の治療方法を深く理解し、ポジティブな気持ちで治療に向き合っていくことにつながれば幸いです。

円形脱毛症とは?原因や種類も解説!

鏡で頭皮を見る人形

円形脱毛症の治療方法や治療期間について解説する前に、そもそも円形脱毛症とはどのような髪や頭皮の病気なのかについて、解説していきます。

女性や子どもにも多い円形脱毛症とは?

円形脱毛症とは、10円玉のような形状で局所的に発生する脱毛症です。
そのため通俗的には、10円ハゲと呼ばれています。
しかし、実際には「▶▶円形脱毛症の種類と治療期間」でも紹介するように円形脱毛症には様々な進行状況があり、場合によっては全身の毛が抜けることがあります。

また、薄毛やハゲといえば中高年の男性だけのものだと考えられがちですが、円形脱毛症は中高年の男性だけではなく、若い女性や子どもでも発症する脱毛症です。
次のグラフは、性別・年齢別の円形脱毛症発症件数の分布です。
このグラフからも分かるように、円形脱毛症の発生には年齢や性別による違いはほとんどありません。

円形脱毛症の性別・年齢別分布

円形脱毛症には次のような特徴があります。

  • 通常の脱毛症が頭皮のどの部分に脱毛箇所ができるのかは、ある程度決まっているが、円形脱毛症では不明
  • 通常の脱毛症が数年単位で進行していくのに対して、円形脱毛症は発症後の進行のスピードが数日単位と非常に早い
  • 通常の脱毛症は中高年の男性に起こりやすいが、円形脱毛症では若い女性や子どもでの発症も多い

円形脱毛症の原因

円形脱毛症の原因として近年最も有力視されているのが自己免疫疾患です。
人間には本来、ウイルスなどの外敵や体内の異常な細胞(例えばガンなど)から自らの身を守るために、免疫機能が働いています。
しかし、その免疫機能に何らかの異常が発生することで、自分自身の正常な細胞を攻撃してしまいます。
つまり、自己免疫疾患とは、自分自身の正常な細胞を破壊する免疫機能の異常のことです。

円形脱毛症は、本来は自分自身を守ってくれているT細胞というリンパ球が毛根を異物と勘違いし攻撃することで、毛根が傷つき髪が抜け落ちてしまいます。

円形脱毛症の原因はストレスじゃない?

かつては、円形脱毛症の原因はストレスだと考えられていました。しかし、最近の研究ではストレスは円形脱毛症の直接的な原因ではないと考えられています。事実、ストレスの有無とは関係なく円形脱毛症に悩まされる人がいます。
もちろん、ストレス自体は髪の成長に良くないものです。過度なストレスを長期的に受け続けると、血管が収縮し髪の発育を阻害します。そのため、髪の健康のためには、上手にストレスをコントロールしつつストレス解消・リラックスすることが大切です。

円形脱毛症の種類と治療期間

円形脱毛症の治療に掛かる期間は、症状の種類によって異なります。

円形脱毛症の種類 症状の特徴 治療期間
単発型 脱毛箇所が一ヶ所のもの 1年以内(多くの場合、数ヶ月以内)
多発型 複数の脱毛箇所があるもの 半年~2年ほど
蛇行型 生え際に沿って帯状に脱毛したもの 数年間に及ぶことも
全頭型 頭部全体に脱毛が拡大したもの 治療期間は長期に及ぶ
汎発ばんぱつ 脱毛箇所が頭部だけではなく、眉毛やまつ毛、体毛など全身に拡大したもの

円形脱毛症の病型

比較的症状が軽度な単発型の円形脱毛症では、約80%の人が1年以内に完治します。
しかし、単発型の人でも多発型などに移行してしまうケースもあります。
そのため「円形脱毛症はストレスが原因で自然治癒する」という思い込みを持って、適切な治療を受けないと、重症化することがあるので、早めに病院・クリニックを受診するようにしましょう。

円形脱毛症の治療薬・方法は?

ミニチュアの人形と薬品

円形脱毛症には、未だ「こうすれば必ず治る」というような治療薬・方法が確立していません
あくまで円形脱毛症の主な治療方法は対症療法=原因を直接的に治療するのではなく、あくまで症状を軽減することが目的の治療です。

ただ、いくつかの治療方法は対症療法でありながらも、円形脱毛症について医学的に高い発毛効果が確認されています
ここでは、日本皮膚科学会の円形脱毛症診療ガイドラインをもとに代表的な有効性が確認されている治療方法を紹介していきましょう。

参考日本皮膚科学会『円形脱毛症診療ガイドライン 2017年版』

推奨度 説明
A 行うよう強く勧める
(円形脱毛症では推奨度Aに該当する治療方法はない)
B 行うよう勧める
C1 行ってもよい
C2 行わないほうがよい
D 行うべきではない

軽度の円形脱毛症の治療方法

始まったばかりの円形脱毛症で脱毛の範囲が小範囲の単発型では、ステロイドや塩化カルプロニウムの外用薬やグリチルリチンやセファランチンの内服薬などを用いて治療します。

ステロイドや塩化カルプロニウムの外用

軽度の円形脱毛症に最も用いられる治療薬が、ステロイドや塩化カルプロニウムなどの外用薬です。

ステロイドには身体の炎症を抑えたり、免疫機能を抑制したりする働きがあります。
円形脱毛症でもステロイドは有効な治療薬として用いられています。

塩化カルプロニウムは育毛剤として用いられている成分です。
頭皮の血行を促進することで発毛を促します。また、育毛剤の成分としてよく知られているミノキシジルも円形脱毛症の治療に用いられることもあります。

診療ガイドラインでの推奨度は次の通りです。

  • ステロイド外用薬…B
  • 塩化カルプロニウム外用薬…C1
  • ミノキシジル外用薬…C1

カロヤンやリアップは使えないの?

塩化カルプロニウムもミノキシジルも市販の育毛剤に含まれている成分です。例えば、塩化カルプロニウムが含まれている育毛剤としては、カロヤンプログレ(男女兼用)。ミノキシジルが含まれている育毛剤としては、リアップX5プラス(男性用)やリアップリジェンヌ(女性用)が有名です。そのため、円形脱毛症に悩む人が自己判断でこれらの薬を使おうとする人もいます。
しかし、いずれの市販薬も円形脱毛症がメインのものではありません。特にリアップは、そもそも円形脱毛症の治療には対象外の薬です。そのため、医師からの処方がない限りはカロヤンもリアップも自己判断で使用することは控えておくべきでしょう。

グリチルリチンやセファランチンの内服

軽度の円形脱毛症にも内服薬の処方が行われています。
グリチルリチンやセファランチンには、炎症やアレルギーを抑える効果があります。

内服薬の種類 特徴 推奨度
グリチルリチン・メチオニン・グリシン複合剤 炎症やアレルギーを抑える作用 C1
セファランチン アレルギー反応を抑制・血流促進作用
抗ヒスタミン薬 アトピー以外への保険適用はないため、アトピー素因の円形脱毛症以外には使用されない

やや重度の円形脱毛症の治療方法

やや症状が重い円形脱毛症には、前述の治療方法とともに以下の治療方法を行うことが多いです。
治療を始めてからなかなか改善が見られない場合や進行スピードの早いケースが該当します。

ステロイド局所注射

ステロイド局所注射とは、炎症を抑えるステロイドを脱毛箇所に注射するという治療方法です。
発毛効果は高いものの副作用の懸念から子どもに対しては行われません。
また、注射の際に強い痛みを伴い、副作用として注射した部位が陥没することがあります。

ただ、成人に対しては症状の改善が見られない単発型や多発型に対して、高い発毛効果があるため、診療ガイドラインでの推奨度はB評価(行うよう勧める)となっています。

冷却療法

冷却療法はドライアイスや液体窒素などを脱毛部分に塗ることで、誤作動を起こした免疫細部の働きを抑えるという治療方法です。
直接ドライアイスを脱毛部分に当てたり、液体窒素を塗った綿棒・脱脂綿で塗ったりします。
治療時にはチクチクとした軽い痛みを伴いますが、とても手軽で副作用もほとんどありません

診療ガイドラインでの推奨度はC1(行ってもよい)と評価されています。

重度の円形脱毛症の治療方法

脱毛部分が急速に拡大する場合や既に脱毛部分が広がっている場合には、前述の治療薬・方法に加えて、ステロイド剤の内服や局所免疫療法を行います。

ステロイド内服

円形脱毛症の進行スピードが急速な場合は、ステロイド剤を内服薬として用いることが多いです。

ステロイド剤を内服すると副作用の懸念が大きいため、子どもには使用できません。
また、長期間服用を続けると糖尿病などの深刻な副作用を引き起こすことがあるため、2~3ヶ月などの期間を定めて使用します。
ステロイド剤の服用を止めて再び脱毛が進行してしまっても、再び内服することはできません。

ただ、短期的ではあるもの高い発毛効果が医学的には実証されています
そのため、進行スピードが著しい成人の円形脱毛症に対しては、期間を定めて使用します。
診療ガイドラインでの推奨度はC1(行ってもよい)という評価です。

局所免疫療法

局所免疫法とは、頭皮にかぶれ(かゆみ・発赤)を起こす特殊な薬品(SADBEやDPCPなど)を塗り、意図的にかぶれを起こすことにより発毛を促すという治療方法です。

局所免疫法の特徴は、人為的に頭皮にかぶれを起こさせることです。頭皮がかぶれるわけですから、頭皮がかゆくなったり赤くなったりします。
頭皮にかぶれを起こさせることで、円形脱毛症を引き起こしているリンパ球の攻撃対象を毛根からかぶれを起こしている部分に移らせます。
高い発毛効果があり、治療の有効率は60%以上と現在最も有効な円形脱毛症の治療方法です。

重度な円形脱毛症の治療に用いられる方法ということもあるので、治療期間は少なくとも半年から1年は掛かります。

また、頭皮のかぶれを除いては、副作用の危険性はほとんどないため、成人・子どもを問わず重度の円形脱毛症に用いられています。

診療ガイドライで推奨度はB(行うよう勧める)という評価です。進行度の大きい多発型・全頭型や汎発型などの円形脱毛症では、第一選択しとして推奨されています。

円形脱毛症の治療は何科に行くべき?病院の皮膚科がオススメできない理由とは?

木陰と病院の模型

円形脱毛症は放置していても自然治癒するケースもありますが、進行が著しい場合は単発型から始まっても多発型や全頭型などの重症の円形脱毛症になってしまうことがあります。

そのため「円形脱毛症かもしれない」と気づいたら、できるだけ速くクリニックを受診することをおすすめします。
でも、円形脱毛症を治療するには、どんな病院・クリニックを受診するべきなのでしょうか?

円形脱毛症の治療は毛髪医療専門のクリニックへ

円形脱毛症を治療するためには、毛髪医療専門のクリニックを受診することをオススメします

一般病院の皮膚科でも円形脱毛症の治療を得意とするところはありますが、基本的には円形脱毛症は特殊な病状で治療は容易ではありません。
そのため、できる限り円形脱毛症をはじめとした毛髪医療を得意とする専門医の下で治療を受けるのが望ましいです。

治療技術の確かな病院を選ぶには、毛髪医療を専門的に行っているクリニックを選ぶと良いでしょう。
通常の皮膚科とは違って、髪や頭皮のトラブルを専門とするため、優れた治療実績と高い治療技術を持っているところが多いです。
ただ、AGAクリニックなどの毛髪医療専門のクリニックでも円形脱毛症には対応していない場合もあるので、事前に電話やメールで問い合わせてから受診しましょう。

円形脱毛症の治療もできる毛髪医療専門のクリニックとしては、新宿AGAクリニックなどがあります。

円形脱毛症の治療費用には、健康保険が使える?

保険とお薬手帳・処方箋

円形脱毛症の治療には健康保険が適用されます。そのため、実際に窓口で支払う治療費用は3割負担です。
そのため、初診料などを含めて、1回の治療で数千円ほどです。

また、局所免疫療法のような一部の治療方法については、保険適用外のため全額自己負担です。
ただ、全額自己負担ですが、費用そのものは1回の治療で1,000円ほどと高額なものではありません。

円形脱毛症の治療は、治療方法にもよりますが、1週間に1回から1ヶ月に1回の通院が必要です。
そのため、1ヶ月での治療費用が数千円から一万円ほどになります。
AGAなどの通常の脱毛症の治療に比べると、健康保険の適用があるため価格はあまり高くなりません

円形脱毛症の治療は長期化しやすい!だから隠す方法を考えよう!

置かれているウィッグ

円形脱毛症の特徴は治療期間が長期化しやすいことです。
比較的軽度の単発型でも、改善するまでには1~2ヶ月ほどの期間が掛かります。
全頭型や汎発型では、数年以上の長期的な治療を覚悟しなければなりません。

そのため、円形脱毛症と付き合っていくには「治すための方法」と同時に「隠すための方法」を行っていくべきでしょう。
事実、日本皮膚科学会の診療ガイドラインによれば、カツラやウィッグで円形脱毛症を隠すことが、推奨度C1(行ってもよい)として評価されています

代表的な円形脱毛症の隠し方については次の通りです。

円形脱毛症の隠し方

髪型で隠す
メリット:脱毛箇所が狭い場合は、十分に対応できる。
デメリット:脱毛部分が広い場合や多発型では対応は困難。
増毛パウダーで隠す
メリット:脱毛部分がある程度広くても自然に隠せる。費用も手頃。
デメリット:パウダーが肌に合わず、肌荒れを起こす人もいる。
カツラ・ウィッグで隠す
メリット:全頭型や汎発型のような範囲の広い脱毛でも対応できる。
デメリット:維持費を含めて費用は高額に。

脱毛部分が10円玉ほどの大きさなら、髪型を工夫すれば上手く隠せることが多いです。
しかし、脱毛部分がある程度大きかったり、複数箇所あったりする場合は、ウィッグや増毛パウダーなどの方法で隠すほうが自然な髪型になります。

脱毛部分が広範囲に及んでいない場合は、増毛パウダーがコスパ的に優れているでしょう。
増毛パウダーによって価格は異なりますが、一回あたりの利用に換算すると、次のようになるそうです。

男性の薄毛カバーでおよそ100円、女性の分け目のボリュームアップや髪の根元の白髪隠しで50円程度

増毛パウダーにも色々な種類がありますが、次のページでオススメの増毛パウダーについてランキング形式で紹介しています。

脱毛部分が広範囲に及んでいる場合は、増毛パウダーでは対応が難しいことがあります。
そのような場合には、カツラ・ウィッグを選ぶと良いでしょう。

カツラやウィッグは「蒸れる・バレやすい」というイメージがありますが、最新の製品ではかなり自然な仕上がりで、着け心地にもこだわったものが多いです。
円形脱毛症には通常のファッションウイッグよりも仕上がりの自然さを重視する医療用ウィッグが良いでしょう。

増毛・育毛サロンとして有名なアデランスでは、男女それぞれに合わせた医療用ウィッグを開発しています。

「もしかして円形脱毛症かも?」と思ったら、すぐに治療を始めよう!

太陽に照らされる四ツ葉のクローバー

円形脱毛症は気づいたら放置しないで治療することが大切です。
放置していても自然治癒する場合もありますが、治療せずに放置してしまったために、脱毛が急速に進行してしまうこともあります。

だから「もしかして、これは円形脱毛症かも?」と気づいたときが、クリニックに行くベストタイミングです。

また、円形脱毛症の治療は長期化しやすい面もあります。一時的に改善しても、再び進行してしまうことも。
だから、円形脱毛症は治療と同時に、上手に付き合っていくことが大切です。
そのためには、治療と同時に隠すことが有効な手段です。
事実、円形脱毛症の診療ガイドラインでもカツラ・ウィッグは推奨度C1として評価されています。

円形脱毛症に悩む人にとって、大切なのはまずは毛髪医療を得意とするクリニックに足を運ぶことです。
そして、増毛パウダーやウィッグなどの方法で上手に隠すことも、あなたらしさを失わないためには、大切なことです。
治療しつつ隠すことその両方を行っていくことが、円形脱毛症と積極的に向き合っていくためには欠かせないことではないでしょうか

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